「諺と言葉の力」カテゴリーアーカイブ

名言・格言額!心に残る言葉の贈り物

諺に隠された言葉の力。

諺(ことわざ)とは、いつ、誰が、どこでそれを言ったか明確な出典はなく、古来、人々の間で伝承されてきた、事象を簡潔に形容する独立した言葉です。

たとえば、仕事を進めていく上で最終的な決断を行う人が何人もいると、ちっとも仕事が進まないだけでなく、最後は当初の目的とまったくかけ離れた内容の仕事になってしまうことがしばしば見られますが、こんな時は、「ごちゃごちゃ上がいるから仕事がめちゃくちゃになっちゃった」と言うよりも、

「船頭多くして船山に登る」

と言った方が事象を正確に、しかも風刺を込めて伝えることができるわけです。

諺は「言い得て妙」、簡潔で独立した言葉なので、同じ言語、文化であれば諺を聞けばイメージを湧かせられることが特徴ですね。

ちなみに「言い得て妙」は諺ではなく、一般的な会話の中で使われる慣用句、当意即妙になると四文字熟語となり、それぞれ意味が変わってくるので気をつけてくださいね。

ちなみに「船頭多くして船山に登る」を皆で力を合わせれば無理と思ったことでも達成できる、と解釈するのは明らかに誤りです。

だったら最初から山に登るための移動装置を作ればいいわけですから。

もちろん、途中から間違って本当に山に登れる船が出来ちゃった場合は別です。

こんな時の慣用句が「瓢箪から駒」ですね。

中国は諺の宝庫!諺と言葉の力

最近、何かと物議を醸し出すお隣の大国、中国はまさに諺の宝庫。

枚挙に暇がないのですが、その中で気になったのが、

「能ある者、労多し」という諺。

能力がある人ほど仕事量が増え、苦労が絶えないという意味で、忙しい人をねぎらう時に使うそうですが、これと同じ意味を持つフランスの諺が、

「位高ければ努め多し(noblesse oblige:ノブレス・オブリージュ)」ですね。 続きを読む 中国は諺の宝庫!諺と言葉の力

続・一夫多妻はトラブルの元!諺と言葉の力

越後の虎といえば上杉謙信、屏風の虎を退治しようとしたのは一休さん、だから「虎は死して皮を残す」という諺もこれまで何気に日本の暗喩として捉えていましたが、考えてみれば、日本に虎は生息していないんですよね。

じつはこの諺、マレーシアが発祥の地です。

「虎は死んでも皮を残すだけ、人が死んだら名を残す」という表現が日本に来てから短縮され、さらに暗喩となったわけです。 続きを読む 続・一夫多妻はトラブルの元!諺と言葉の力

一夫多妻はトラブルの元!諺と言葉の力

もちろん、イスラム圏らしいアラブの諺もあるので、それらも紹介しましょう。

「妻が4人もいるのにキルバ(水を入れるための皮袋)は空のまま」

イスラム教の一夫多妻制によって妻を多く娶っても女性同士仲良くできないことを例に上げ、人数が多くても事が成せるとは限らない、「船頭多くして山登る」と同じ意味を持つ暗喩ですね。 続きを読む 一夫多妻はトラブルの元!諺と言葉の力

アラブの諺と日本の諺の共通点!諺と言葉の力

ヨーロッパから東に進むとミドルイースト、いわゆる中東地域に入ります。

中東地域のほとんどはイスラム圏となりますが、キリスト教との確執からイスラム教は(日本ではよく知られていないせいもあって)誤解されている部分が多々あります(所詮、どちらも旧約聖書が原点なんだから、もうちょっと仲良くすればいいのに)。

しかし、宗教は違っても同じ人間、思うことも一緒となれば、諺でも当然、似たような表現や国が違っても納得できる内容があります。 続きを読む アラブの諺と日本の諺の共通点!諺と言葉の力