アメリカ合衆国の歴代大統領の中で、もっとも人気の高い人物といえば、第35代大統領のジョン・F・ケネディですね。
第29代駐日アメリカ合衆国大使、キャロライン・ケネディの父親でもあります。
ケネディが大統領に就任した時は東西冷戦の真っ只中であり、その冷戦が引き起こす試練が次々に訪れるという緊迫した情勢でした。
ビッグス湾事件をきっかけにベルリン危機で当時のソ連との関係が悪化、ベトナム政策では共産主義に揺さぶりをかけられ、キューバ危機では世界が滅亡の道を歩む核戦争の可能性まで起きました。
もしキューバ危機が回避できなければ現在の世界の状況は一変しており、まさに「北斗の拳」のような世紀末的様相を示していたかもしれません。
「人類は戦争に終止符を打たなければならない。さもなければ戦争が人類に終止符を打つことになるだろう」
このケネディの名言は政治的ではありますが、現在では感じられないリアリティがありました。
ケネディが残した偉業の中で、アポロ計画と並んで賞賛されているのがキューバ危機回避です。
もっとも、ソ連だけでなくアメリカ合衆国が蒔いた種ともいえますが。
キューバ危機以後、全面的核戦争という戦争形態は影を潜め、戦争は局地戦という形態に変化していきました。
よほど、核戦争は政治家に取っても恐怖であるということが身に沁みたのでしょう。