もちろん、イスラム圏らしいアラブの諺もあるので、それらも紹介しましょう。
「妻が4人もいるのにキルバ(水を入れるための皮袋)は空のまま」
イスラム教の一夫多妻制によって妻を多く娶っても女性同士仲良くできないことを例に上げ、人数が多くても事が成せるとは限らない、「船頭多くして山登る」と同じ意味を持つ暗喩ですね。
一夫多妻社会を続けているイスラム圏らしい諺ですが、この一夫多妻制、現実的には厳しい制約があり、2番目以降の妻を娶るための正式な理由が必要で、夫はそれぞれの妻に大きな義務を担っています。
その義務を怠ると妻側から離婚、慰謝料の請求が可能となり、夫は膨大な慰謝料を払わなければなりません。
この一夫多妻制、本来は戦争未亡人となった女性の救済を目的とした制度で、婚姻制度に関しては欧米諸国よりも厳格なのが実情、現実には一夫一婦制が基本で二人以上の妻を持つことはよほど裕福でない限り不可能と言われています。
アラブの諺、まだまだあるのですが、何しろ他の国の方が多いので、最後にひとつだけ、情景が思い浮かぶロマンチックな諺を紹介しましょう。
「バラは枯れても香りは残る」
砂漠の中の真っ赤なバラ、なんだかスティングの歌詞みたいですね。