科学者は人前でベラベラと喋るよりも知識の収集や実験の検証に興味があり、しかも忙しいので自分を大きく見せようとか、虚栄を張るということに縁遠く、その姿勢があるから時として人の道を説く名言が生まれるのでしょう。
13世紀のイギリス哲学者でありカトリック司祭だったロジャー・ベーコンは次の名言を残しています。
「人は賢明になればなるほど、ますます腰を低くして他人から学ぼうとする」
そういえば日本にも「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という諺がありましたね。
実力があれば謙虚になって損はありません。
同じく諺の「弱い犬ほどよく吠える」じゃないけれど、確かに自己承認の欲求が強い人ほど自分の知識を総動員して、聞きたくもない周囲の人に認めてもらおうという傾向があります。
で、間違ったことまで堂々と言って、それを本当の知識を持っている人に訂正されて大恥をかいたり。
賢くなりたいのであれば無駄口を叩かず、自分より賢い人を見つけて学ぶことが大事です。
「沈黙は金なり」という諺もあるのだし。
ちなみにロジャー・ベーコン、カトリックの司祭でありながらヨーロッパの学問に疑問を抱き、異教徒であるイスラム圏の科学者たちの著書を読み、理論だけでなく経験値や実験の観察、結果を重視したことから近代科学の先駆者と言われています。