諺、「情けは人の為ならず」のように、個人的解釈で違う意味になりますが、これは個人だけでなく文化や環境によっても異なってきます。
その代表的な例が、「転がる石に苔むさず」ですね。
この諺、元々はイギリスが発祥で、川の中を転がる石はひとつのところに落ち着かないので苔が生えない。
つまりいろいろなところを転々とする人は落ち着きがない人、信用できない人という解釈です。
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が、アメリカにこの諺が渡ると、川の中の転がり続ける石は苔なんかつかずいつもピカピカだぜ、となり、新しいことに挑戦し続けることが人生で大事である、という教訓の諺になります。
日本の場合は、このどちらの解釈もあり、とされています。
ただ、日本とイギリスには苔を庭園の美とする習慣があるので苔は長年の蓄積を意味する美徳の代名詞となりますが、アメリカでは苔の文化がなく、単なる雑草ぐらいにしか感じていなかったので、この差異が生まれたと考えられています。
まあ、どっちの解釈も正しいのでしょう。
アメリカの中でもボブ・デュランが「ライク・ア・ローリング・ストーン」で歌っているように転がる石は転落を意味する場合もあれば、マディ・ウォーターズが「ローリン・ストーン」で歌っているように風来坊を意味することもあります。
アメリカの場合、「転がる石に水垢つかず」だったら、イギリスや日本の諺とまた違った意味になったでしょうね。
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