スティーブ・ジョブズを最初に出すと話が長くなっていけません。
本筋は類似した名言ですね。
前項で紹介した「偉大な大工は~」に似た諺がこれ。
「神々は細部に宿る」
古来、クリエイティブな仕事に関わっている人の多くが座右の銘としている諺でもあります。
クリエイティブな仕事(芸術も含めて)にはさまざまな制約があります。
ペイントアートであれば画板の大きさ、プロダクトデザインであれば物の大きさ、映画監督であればフィルムのフレーム、ライターであれば文字数など、それが商業ベースであるほど制約のハードルは高くなります。
その制約の中で訴求点やアイキャッチだけを強調するのは凡人、達人やマイスターになるほど訴求点以外のところまで気を配り、自己満足と完成度を高めていきます。
それは凡人に取って、どうでもいいところであり、制約があるからできないと言い訳するところでもあり、見えないところでもあって、その夜の一杯の酒を犠牲にしてまで時間を費やすまでのところではない、と考える細部です。
極端な話、PCの筐体の内部が美しかろうと、PCを使う人に取っては関係ないだろう、と考えるのが当たり前。
でも、違うんです。
アルミインゴットから削り出されたMacBook Proの筐体は見た目、美しく触り心地もいいのです。
PCを仕事にしている人に取って、この美しさと触り心地は仕事に対する意欲という、不確定要素を確実に高めてくれるのです。
それが、細部に宿った神々の力、なのです。