イタリアの水の都、ヴェネツィアを舞台にしたのがシェイクスピアの「ヴェニスの商人」。
金貸しのシャイロックが金を借りたアントーニオに担保として肉1ポンドを担保とする話が縦糸の戯曲ですが、シェイクスピア独特の横糸が張り巡らされていて話は二転三転、意外な結末と喜劇らしい大団円が待っている名作です。
横糸では富豪の娘ポーシャ(案外、この物語は彼女が主人公ではないでしょうか)の亡き父がポーシャに残した遺言がひとつの伏線となっています。
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ポーシャの父は金、銀、鉛の箱のひとつにポーシャの肖像画を入れ、それを選んだ男と結婚するように言い残します。
美しいポーシャを娶ろうと何人もの男が挑戦しますがあえなく失敗。
最後にポーシャと相思相愛のパサーニオが挑戦しますが、その時、ポーシャの出したヒントがイタリアの諺、「ピカピカ光るからといって、それが必ずしも黄金とは限らない」。
パサーニオは見事、鉛の箱を選んでポーシャを娶ることができます。
ちなみにピカピカ光る、輝きはglitter(グリッター)と英語表記されます。
この諺が元になり、グリッターズという言葉がスラングで詐欺師という意味を持つようになりました。
また同じような意味を持つ「美しい手袋の下には醜い手が隠れている」というのもイタリアの諺です。
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