ドイツでマイスターと言ったら手工業における親方的存在で、現在は資格制度ができており、適用される41業種には必ずマイスターがいなければ営業できないシステムになっています(例外もあります)。
ドイツ中世の手工業ギルドの時代から続くシステムを近代化させた制度ですが、現代でもマイスターになるための過程は厳しく、学問だけでなくワルツという放浪修行をこなさなければならない場合もあります。
このワルツの期間は1年間、その間、親の死に目に会うこと以外は出身地の半径50km以内には立ち入れないという規定もあります。
このドイツ職人気質を表しているのが、
「手に職があれば黄金の基礎がある」という諺。
ちなみに筆者、ドイツのフランクフルトでソーセージの会社を取材したことがあり、その会社でもソーセージ作りのマイスターがいたので、話を伺ったことがあります。
「本当のフランクフルターはこのように二本つながっていなければならない」とマイスターは二本つながっているソーセージを見せてくれました。
ドイツのソーセージは地域によってさまざまな形になるので、力強いマイスターの言葉に感心したものですが、やはりなぜ二本につながっている理由を知りたいところ。
それを質問すると「それは私の知ったところではない。二本つながっているからフランクフルターなのだ」と堂々と答えられ、妙に納得させられました。
ドイツのマイスター、頑固一徹です。
日本の皆さん、フランクフルト・ソーセージは二本つながっているものが本当、だそうですよ。