「転がる石には苔むさず」には相反する2つの意味がありますが。逆に言語は違っていても同じ内容の諺が発生している場合があります。
たとえば先に紹介した「船頭多くして船山に登る」という日本の諺と似ているのがフランスの「コックが多すぎるとスープは出来損ない」という諺。
これは解釈が必要ないでしょう。
日本でも定着している中国の諺で「虎穴に入らずんば虎児を得ず」という教訓がありますが、英語圏では同じような意味を持つ「No pain No gain」という諺があります。
中国では虎の子が高価な取引材料だったことから生まれた諺ですね。
高価なものを手に入れるためには危険なこともしなければならない時があるという喩えで、この諺から自分の中の大切なものを「虎の子」というようになりました。
一方の「No pain No gain」は日本語に訳すと「痛みがなければ得るものはない」といったところでしょうか。
日本語でも見られる韻を踏んでいるのであえて英語表記のままにしましたが、韻を踏んでいる英語の場合、rhyming(ライミング)と言うそうです。
これを効果的に使っているのが音楽のラップですね。
ちょっと話がずれてしまいましたが、人の思うことは言語が違っても世界中で同じ、教訓や喩えがそれだけ残っているということは、同じ失敗と同じ挑戦を繰り返しているということでしょう。