とかく、男は恋愛になると理屈をこねて自分を納得させようとします。
まあ、カッコつけちゃうわけですね。
カサブランカでハンフリー・ボガート演じるリックがラストシーン、恋人のイルザを逃がすのだって、結局はカッコつけて恋愛から逃げちゃった、とも考えられるでしょ?(いや、もちろんあれこそ男の美学、なんて声高々に言いたい気持ちは分かるけれど)
「君の瞳に乾杯!」なんて言うより、
「昨夜はどこにいたの?」と聞かれて「そんな昔のことは知らない」と言い、「今晩は一緒にいてくれる?」と聞かれれば「そんな先のことは知らない」と言う方がカッコいいですものね。
まあ、だからといってTVドラマの「101回目のプロポーズ」の名セリフとされている「僕は死にましぇん!僕は死にません!あなたが好きだから、僕は死にません!僕が幸せにしますからぁ!」というのも、そこまで男を貶めることはないだろうとは思いますが。
かくして、男は自分のスタンスをいろいろと探すことで、いつの間にか迷宮への入場キップを手にしてしまうわけです。
だから恋愛の名言、と呼ばれている多くは男から発せられたものが多く、しかも女性との成就よりも女性のミステリアスな部分に関する内容がたくさんあります。
きっと、詩人や哲学者や戯曲家や、その他の著名人も恋愛で苦労したんでしょうね。