尊敬できるライバルであれば、競い合うほど負けるものです。
もちろん負けることはけっして恥ではありませんが、どのようにして負けるか、それがビジネスパーソンとして大切なところといえるでしょう。
勝負の世界には「Good Loser」という言葉があります。
良き敗者たれ。
そういう意味ですね。
負けて悔しくない人はいません。
全力を出し切ったから悔いがない、とか言うのは嘘、もし全力を出し切っても勝てない相手と悟ったら、それは諦めにつながってしまい、ライバルとしてのアイデンティティを失うことになります。
毎回、負けている人も「Good Loser」にはなれません。
良き敗者とは、負けたことの悔しさを表面に出さず、勝者を賛えることもするけれど、勝者が「次はもしかしたら負けるかもしれない」という恐怖心を与えられる人です。
アトランタ・オリンピックで金メダル確実と言われていた田村亮子選手は決勝で負け、銀メダルに終わった時、次のような名言を残しています。
「銀メダルは負けてもらうメダルだから学ぶことは大きい。なんで負けたのか、その悔しい思いが(金メダルを取れなかった)欠けている部分にあるんですね」
ライバルに負けた人で、ヘラヘラと笑って勝者を讃えている人は次も負けます。
負けて悔しさが滲み出ていながらなお、なぜ負けたのか考える人は、ライバルに取って怖い存在であり、また尊敬できるライバルと認めることができるのです。